「ステラ マッカートニー」が19年春夏コレクションをミラノで発表 全空間インスタ映えのステラ流夏祭り

ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」は、メンズの2019年春夏コレクションとウィメンズの19年プレ・スプリング・コレクションを、18日にイタリア・ミラノで発表した。

エントランスを抜けてすぐの場所に巨大なフォトパネルが設置され、さらに奥へと進んで庭園に抜けると、ひと足早い夏祭りのようにカラフルでポップな空間が広がる。“STELLA”の文字や色とりどりのグラフィックが庭園全体に散りばめられ、どこで撮影しても“インスタ映え”するフォトジェニックな空間演出が際立った。パスタやピザ、スイカといったフードやドリンクを提供する出店風のブースが点在し、キュートに彩られた卓球台やローンボーリングなど、複数の場所に設置された多彩なゲームで来場者たちは楽しんだ。また英国の気鋭ミュージシャン、コスモ・パイク(Cosmo Pyke)やナディア・ローズ(Nadia Rose)によるパフォーマンスも行われ、会場を大いに盛り上げた。

庭園奥に設置されたステージでは、最新コレクションをまとった男女のモデルがダンスをしたり、ドリンクを飲みながら会話を楽しんだりと、肩の力が抜けた自然体のスタイルでコレクションを披露。メンズはチェックのトラックスーツやブリティッシュ調のアイテムを軸に、ユーモア溢れるプリントや異素材のパッチワークによって無邪気な少年性を加える。リサイクルポリエステルのバッグや動物由来の素材を使用しないクルエルティフリーのローファーなど、サステイナビリティを考慮したブランドらしいアイテムも並んだ。ウィメンズでもレザー風の素材“スキン フリー スキン”やPVCを使用しない透明アクセサリーなどが登場した。

ハーバルセラピストが処方したミスト美容液が登場

リベルタは、厳選された天然ハーブを使用するブランド「スローブリス(SLOWBLISS)」から2層ミスト美容液「スローブリス ハーブティメソッド ハーブウォーターオイル」を発売した。5月1日からロフトで先行販売しており、23日から一部のバラエティーショップ、自社ECサイト、ECモールで順次販売する予定。

「スローブリス」は、忙しい毎日を送る女性に“ゆったりとした至福の時間”を提供したいと誕生したブランド。ハーブティーを飲むように、植物から出るたっぷりの良質な成分を肌から取り入れてほしいという思いを込めて、全てのアイテムは、日本メディカルハーブ協会認定資格のハーバルセラピストが植物成分を厳選して処方を組んでいる。これまで入浴剤とシートマスクを展開していたが、初めてのボディーケアアイテムとして2層ミスト美容液を作った。

2層ミスト美容液は、ハーブをたっぷり含ませた“ハーブウオーター”と“ハーブオイル”の2層。香りは全3種で、「Refresh1 爽陽晴笑(そうようせいしょう)」はフレッシュなオレンジ、ベルガモット、レモングラスに鮮やかなカレンデュラ、リフレッシュ効果の高いペパーミントを処方したシトラスハーブの香り。「Relax 2 静心休穏(じょうしんきゅうおん)」はラベンダーを基調にシャルドネ、ユーカリやタイムなどのハーブを処方したグリーンハーブの香り。「Happiness 3 桃柔包幸(とうにゅうほうこう)」はダマスクローズやセンチフォリアローズ、ゼラニウム、セージ、ローズマリーを処方したローズハーブの香り。気分や悩みに合わせてハーブを処方しているほか安心・安全にもこだわり、合成着色料や合成香料、界面活性剤は不使用。精油100%の優しい香りと天然色素を使用した美しい色で心身ともに癒やしを届ける。テクスチャーはオイルなのに重くなく、サラっとした使い心地。ボディーだけでなく髪やフェイスにも使用できる。

「フェンディ」がキオスク開店 人気の「FFロゴ」をアップデート

フェンディ(FENDI)」は7月4~10日、伊勢丹新宿本館1階のザ・ステージで2018-19年秋冬の新作を集めたポップアップイベント「フェンディ キオスク(FENDI KIOSK)」を開催している。7月25~31日には、阪急うめだ本店の1階コトコトステージ11でも行う。

注目は、「FFロゴ」を大胆にあしらった「FF リローデッド カプセルコレクション(FF RELOADED CAPSULE COLLECTION)」だ。1965年にカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)が「ファーをファン(楽しく)したい」と考案した「Fun Fur」の頭文字を組み合わせてデザインしたもの。「FFロゴ」はこれまでさまざまな形に変化を遂げてきたが、2018年プレフォールにアップデートされたロゴは、正方形のボックスシルエットでグラフィカルな印象だ。

また、日本限定で「FFロゴ」をヒョウ柄のように表現した「フェンディ スプラッシュ(FENDI SPLASH)」柄を用いたカプセルコレクションも並ぶ。人気バッグの“ピーカブー(PEEKABOO)”から“バイ ザ ウェイ(BY THE WAY)”“ラナウェイ(RUNAWAY)”“モン トレゾール(MON TRESOR)”、別売りストラップ“ストラップユー(STRAP YOU)”、iPhoneカバー、財布、スカーフまで幅広くそろえる。

ストリート、ロリータ、アニメ――カオスを飲み込む若者の聖地「ラフォーレ原宿」41年目の進化

明治通りの反対側にあるラフォーレ原宿のエントランスは少し不思議な日本庭園になっていて、入り口に面した店舗では爆音を響かせ「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH以下、オフ-ホワイト)」「バーバリー(BURBERRY)」などのストリートで人気のメンズアイテムを販売している。「GR8(グレイト)」だ。オーナーバイヤーの久保光博氏は世界の著名なファッション業界人「BoF500」に選出され、久保氏の好きな数字、末広がりの“8”を並べた店舗面積88坪の「グレイト」には、日本だけでなく中国や韓国、台湾のファッション愛好家たちが訪れる。客単価は7〜8万円、月間の売上高はゆうに1億円を超える。だがラフォーレ原宿には、店舗面積がその4分の1以下の20坪足らずにもかかわらず、時には「グレイト」を超える売り上げを叩き出す店舗が2つある。2大ロリータブランドの「アンジェリック プリティ(ANGELIC PRETTY)」と「アリスアンドザパイレーツ(ALICE AND THE PIRATES)」だ。

昨年10月に開業40周年を迎えたファッションビル、ラフォーレ原宿が好調だ。2019年3月期の売上高は前期比5%増を見込んでおり、2016年3月期以来4期連続で増収を達成する。ネット通販が拡大し、都心でも多くのファッションビルが苦戦する中で、ラフォーレ原宿のこの快進撃とも言える業績は、新旧の多彩なテナント群が国内外から幅広い客を呼び込むことで支えられている。

「ネット通販発ブランドの新しいサクセスストーリーをつくりたい」——こう語るのは、今春の改装でラフォーレ原宿に出店を決めた、ネット通販のプラットフォーム「STORES.jp」を運営する塚原文奈ストーアーズ・ドット・ジェーピー最高経営責任者(CEO)だ。「STORES.jp」は未経験者でも簡単にネット通販サイトを作れることが強みで、多くの小規模ブランドや個人のユーザーを獲得してきた。リアル店舗の運営はほぼ未経験ながら、同様にネット通販ブランドで数多くのファンを獲得した「アール(RRR)」の相羽瑠奈デザイナー率いるレインボーシェイクと組み、SNSを駆使した新しい売り方に挑戦する。「リアル店舗の運営は全くの未経験だし、かなりの先行投資にはなるが、ラフォーレ原宿にはすでに数多くの成功事例があった。リアルには私たちのようなネット企業ができないことがたくさんあるし、むしろそれが私たちにとっても新しい可能性だと感じている」と塚原CEO。

ラフォーレ原宿がこの数年積極的に取り組んできたのが、こうしたネット通販発ブランドの導入だ。24歳のインフルエンサー、滝口樹理社長兼デザイナーが率いるネット通販専門ブランド「ジュエミ(JUEMI)」は4月6日、初の常設店をラフォーレ原宿にオープンする。ルミネ新宿店や三越銀座店、名古屋パルコなどで期間限定店を出店し、1週間で1000万円以上を毎回売り上げてきた人気ブランドだが、その「ジュエミ」が初めてリアルの場に期間限定店をオープンしたのもラフォーレ原宿だった。村田裕介ラフォーレ原宿館長は「かつてのような急成長が望めない中、資本力の弱い新進ブランドが商業施設に常設店を出店するハードルはどんどん高くなっている。しかしわれわれのようなファッションビルにとっても、新進ブランドが導入できなければ活気も失われる。ネット通販発のブランドは新しい可能性だった。この数年で期間限定店から常設店へという流れができつつある」。

こうしたネット通販発ブランドの導入で新しい客層を呼び込む一方、数字面を支えるのは新旧の多彩なテナント群だ。ラフォーレ原宿で月坪(1坪あたりの月間の平均売上高のこと)100万円に達すると見られるテナントは、「グレイト」のようなラグジュアリーセレクトから「アンジェリック プリティ」「アリスアンドザパイレーツ」のロリータ、2017年9月にオープンした「セーラームーンストア」のアニメなどバラエティに富んでおり、同館のテナントリーシング力の強さを象徴する。ラフォーレ原宿から生まれ、今やアジアを代表するセレクトショップになった「グレイト(GR8)」は4月下旬、店舗を88坪(約293平方メートル)から130坪(約429平方メートル)に拡張オープン、裏側の入り口に接する2.5階の全スペースに広がる。「グレイト」は昨年拡張オープンしたばかりだったが、村田館長は「『グレイト』を率いる久保光博オーナーバイヤーから、このままでは商品が収まりきらないと強い要望があった。『グレイト』は日本だけでなく世界的な知名度を誇るセレクトショップで、世界中からファッション好きが押し寄せる。われわれもその期待に応えたかった」と語る。

「アンジェリック プリティ」と「アリスアンドザパイレーツ」を筆頭にロリータブランドを集積した地下1.5階は、「インバウンド比率は高く、近隣の中国や韓国はもちろん中東などからも、熱心なファンがこのフロアをめがけて来る」(村田館長)という。昨年1月には、「アンジェリック プリティ」と「アリスアンドザパイレーツ」の2大ロリータブランドの1月の売上高がそれぞれ1億円を突破した。「アリス アンド ザ パイレーツ」の売り場面積は14坪、「アンジェリック プリティ」は19坪なので、1坪あたりの売上高はなんと714万円、526万円と驚異の坪効率になる。

日本発のファッションであるロリータ・ファッションとラフォーレ原宿の関係は実に長い。「アンジェリック プリティ」の出店は、1978年のラフォーレ原宿開業の翌年の1979年。以来39年にわたってショップを構えてきた。絶好調のロリータだが、2013年には人気ブランド「ブラックピースナウ」が倒産するなど苦しい時期もあった。ラフォーレ原宿は、2007年からパリの「ジャパンエキスポ」に「アンジェリック プリティ」や「アリス アンド ザ パイレーツ」など有力なロリータブランドと一緒に出展し、ファッションショーを現地で実施。その後も数年にわたって出展を続け、ロリータブランドの種を海外にまいてきた。

17年以降には、元祖原宿ストリート系ブランド「ミルク(MILK)」の流れをくむ「ジェーンマープル(JANE MARPLE)」も、この2大ロリータブランドに匹敵する売上高と坪効率を叩き出すようになった。「ジェーンマープル」も、1984年にスタートして88年からラフォーレ原宿に出店する老舗テナントの一つだ。ワンピースで5万円台、スカートで4万円台と高額ながら、幅広い年代から熱狂的な支持を集めている。「ファッションだから長い時間の中では浮き沈みもあった。だが店長が20年間ずっと同じ人が務めるなど、絶対に軸がブレない強さがある」と村田館長は語る。

ファッションビルはネット通販の猛烈な成長やターミナル駅直結の大型商業施設などの攻勢にさらされ、坪効率の悪化や売上高の縮小などの防戦を余儀なくされてきた。だが昨年10月に開業40周年を迎え、売り上げ上位テナントに新旧ブランドと店舗が並ぶラフォーレ原宿は、商業デベロッパーが理想として掲げる“経年優化”そのものだ。開業41年目のラフォーレ原宿は今、再び進化している。